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石田衣良 「1ポンドの悲しみ」

2004.08.12

1ポンドの悲しみ ~10編目、まとめ~


cover

最後、10編目の感想を。

10編目 ~スターティング・オーバー~
 番組制作会社の同期3人組で新年会。
 主人公の女性は、担当する番組に出演するコメディアンと別れて、1年間の男絶ちをしていた。
 彼女は、16の頃から14年間男が切れたことがない。
 そして、男絶ちの末に、、、

この作品によると、女性はクリスマスや誕生日など、イベントのときに寂しい想いをするのがいやで、男を漁るそうだ。
まぁ、そういう人もいるだろうと思う。

俺の場合、どちらかというと、そんなイベントのタイミングでつまらない相手や、適当な人といるくらいならひとりで過ごすことを選んできたような気がする。
まぁ、そういう人もいるだろう。

この作品の女性は、イベントの相手を探して恋愛するのか、相手がいるからイベントを一緒に祝うのか分らなくなり、1年間の男絶ちをして悟るらしい。
「男の人にもたれかかって、振りまわされていきていたなぁ」と。

うむ、恋愛っていうのは難しい。


最後にまとめを。
この作品集は、ひとつひとつの作品が輝いている、、、っていうより、星空があって、その一部分を切り取った感じ。
大きな大きな紙があって、そのどこかを切り取った感じです。

かるぅ~く読んでしまえるし、そんなに考えなくて良い。
前にも書いたけど、やっぱりエピソードかな。

ストーリーとしては、恋愛もの。
30台の恋愛です。

個人的には少し物足りない感じ。
そうだな、本を読みたいんだけど、いきなり難しいのとか、長いのはどうかなぁ、、、などと思っている読書初心者、もしくは読書が少し苦手な人にお薦めです。

2004.08.10

1ポンドの悲しみ ~8,9編~

8編目、9編目の感想です。

8編目 ~デートは本屋で~
 男と本が好きな女性。
 2年以上前に分かれた彼氏は、お互いに本が好きだった。
 ふと会社に出入りする男性と会話をし、本を結構読むという。
 デートは本屋で、、、

9編目 ~秋の終わりの二週間~
 14歳年の離れた夫婦。
 2週間だけ、13歳違いになる瞬間がある。
 そんな夫婦の物語。

本の話題があったり、読む本の感性が合う女性というのは、話していて楽しくなる。
8編目の女性は、本屋で行った初デートで、その本屋でサイン会を行っていた作家のサイン本をプレゼントされ、彼のポイントが急に跳ね上がる。
そんな気持ち分るような気がする。

ようやく、この作品集の面白さが分ってきた。
というより、もしかしたら、終わりのほうに良い作品が固まっていたのかもしれない。
いや、そうではなく、前半はそういう気分でなかったのかもしれない。
今回の2編は、平凡な日常にある、エピソード、、、そう、エピソードなのである。

 エピソード・・・逸話、挿話<新英和中辞典 第6版 (研究社)>
 逸話・・・・その人の隠れた一面を知らせる、世間にあまり知られていない面白い話。
 挿話・・・・文章や談話の途中にはさまれる、本筋には関係のない、短い興味ある話。
       <大辞林 第二版 (三省堂)>

大きな落ちや、どんでん返しや、大恋愛や、突き落とされるような悲しみではなく、軽い幸せ、軽い悲しみが流れていく物語たち。
さ~て、最後の話を読んでみますか。

2004.08.09

1ポンドの悲しみ ~6,7編目~

6編目、7編目の感想です。

6編目 ~スローガール~
 愛なんてセックスを包んでいるただの包装紙だと思っている主人公の男性が、女を漁りにバーに出かけます。
 バーのマスターも暗黙に認めるハンティングゾーン、声をかけられるのを待っている女たち。
 そこで出会った、スローガール。
 彼女は、大変美人なのに、反応がスローなのだ。 
 そんな彼女と、、、

7編目 ~1ポンドの悲しみ~
 本作品の表題作となっている物語。
 東京と大阪で遠距離恋愛をしている30台半ばのカップル。
 名古屋で落ちあい、異常なセックスを行う。
 その別れのとき、1ポンドの悲しみが、、、

この作品集の中で、今のところ6編目のスローガールが一番好きな感じです。
ようやく、この作品集の中で短編ならではの面白い物語に出会いました。

恐らく、短編集というのは、全てが数珠玉でよい作品というよりは、その中の面白い数編に出会うために読むんだと、そう思いました。
6編目のこの作品に出会えて、この作品集はよかったなと、そう思います。
そういえば、音楽のアルバムを買ったとき、その中で2曲か3曲、「あっいぃ」という楽曲があれば、「あのアルバムはいぃ」なんて言っていた気がします。
もちろん、もっと多い方がよいと思いますが。

7編目の表題作は、シェイクスピアからタイトルが来ているようです。
詳しくは読んでみて下さい。

短編集のタイトルを、その中の物語から選ぶ時、何か読み手の気を引くものを選ぶのでしょう。
そんな感じで「1ポンドの悲しみ」というタイトルが付けられたのかと。
でも、個人的にはスローガールにして欲しかった。
内容的に。

2004.08.08

1ポンドの悲しみ ~5編目~

5編目の感想を。

5編目 ~昔のボーイフレンド~
 文房具の会社に勤める、30台半ばの女性の話。
 「だからさ、日本の会社って男のためにつくったものなんだよ」と始まる物語は、仕事に生きがいを持った女性の意見を代弁しているようです。
 そんな主人公が、1年半前に分かれた昔の男からの電話を受けます。
 そして、、、

会社に入って思うことは、やはり自分が歯車のひとつであるって言うこと。
頑張って結果を出しても、ポンと飛ばされてしまう人もいたり、組織なんて会社の号令で簡単に変わってしまったり。
会社での女性の立場はあまり良く分らないけど、誰しも似たようなものかと。

本を読むペースが落ちたのは、何も暑さのせいだけではないかな。
この連作は、それほどそそらないものがあって。

読んでて「悲しみ」ってあんまでてこないぢゃん、、、って思ってたら、そういう名前の代表作があったり。
少し期待はずれかも。

2004.08.04

1ポンドの悲しみ ~3,4編目~

3,4編目の感想なぞ。

3編目 ~十一月のつぼみ~
 お花屋さんの話です。
 月に一回くらい花束を買いに来る男性。
 そんな男性が気になる、お花屋さんの店員が、、、
 お花屋さんの店員は、家庭が冷えていて、刺激を求める1児の主婦なのですが。

4編目 ~声を探しに~
 中小企業に勤める、30を超えた女性。
 この情勢の声が、突然でなくなります。
 身体表現性障害という、突然体の一部機能が機能しなくなるという、精神的病気。
 そんなとき、病気になる前は普通に接していた同僚の男性が、助けてくれます。
 病気になると、今まで普通に接していた男性の見方が、、、

短編というのを久々に読んでいて、こんな中途半端なものだったかと。
恐らく、それぞれの物語を少しずつ膨らましていって、より面白い物語に仕上げることも出来たのではないカなど。

短編って言うのは、短編なるべくしてそうなった物語と、なんか手抜きしている、、、もしくはもっと続きを読ませてくれよっていう物語があると思いますが、今回のは全体的に後者です。
まぁ、こういうのも有りだと思いますが。

で、4編目、急に病気になると、今までの世界観が変わってしまう、そういう気持ちよく分かります。
声が出なくなるほどの大事件は発生したことはありませんが、急な高熱にうなされ、ここでやさしくされたりなんかしたら、惚れてしまうなんて思ったりしたことも。
いや、高熱にうなされてるときはそれどころではなくて、後で思うんですが。
でも、そんな都合のいいことはあんまない訳で。

続きはまた。

2004.08.03

1ポンドの悲しみ ~1,2編目~

どうしようかと考えましたが、とりあえず何編かずつ物語の概要と感想を書こうかと。

この物語たちは、帯に書いてある系でいうと、何気ない日常のひとコマを切り取ったような物語、そんな感じです。
意気込まずに、さらっと読めてしまうとこがよい。
おぃ、もう終わってしまうのかよ、これからぢゃん、、、っていう雰囲気もありますが。

1編目 ~ふたりの名前~
 自分の持ち物に、それぞれのイニシャルを書くという習慣を持った、同棲しているカップルの話です。
 そんな二人が子猫を貰います。
 ちょっとクールな子猫が、、、

2編目 ~誰かのウェディング~
 友人の結婚式に出席した男性と、その式場でウェディングプランナーを行っている女性の話です。
 お互いにピピッと来た二人、男性は、女性に電話番号を渡し、そして、、、

うむ、短編は少し書きすぎてしまうと、内容が全部ばれてしまいそうで、なんか難しいっす。

ウェディングプランナーが、他人の幸せを演出している一方で、仕事が忙しく、自分の幸せの演出が苦手ということを初めて知りました。
まぁ、小説の中の話だけど。

世の中、仕事が忙しかったり、仕事の終わりが一般と合わなかったりで、恋をしたいけどできない人々が結構いるのかなと。
もったいない話です。
意外と、出会いなんていうものは、普段すれ違っている人との中にこそあるのかもしれない。

ではでは、3編目以降はまた。

2004.08.02

1ポンドの悲しみ

読み始めました。
大好きな、石田衣良さんの作品です。

この作品は10編からなる短編集で、帯に粋なコメントが載っていました。

   「日常に舞い降りた一瞬のときめき 10drops」

うむ、、おしゃれな感じではないですか。
悲しみとときめきがどう繋がるのかは別として。

で、気が付いた。
ここに感想を書き始めて、初の短編集ということで・・・
1編1編を10回書き綴るのもなんだなぁと。
どうしようか考え中。

あと、こんな記事見つけました。

 石田衣良スペシャルインタビュー 
  第1回 普通の人の、小さな恋の物語
  第2回 「ありがたや!」と男が思う瞬間とは
  第3回 心の筋肉をちゃんと使う恋愛をしよう

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