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中山可穂 「弱法師」

2004.05.15

弱法師 まとめ


cover

タイトルの意味を、思わず国語辞典で調べてみました。

よろぼし 【弱法師】
能の一。四番目物。作者未詳。河内国高安の里の左衛門尉通俊の子俊徳丸は讒言(ざんげん)により家を追われ、盲目の乞食となってさすらっていたが、天王寺で父に見いだされ、高安の里へともなわれる。よろぼうし。

そとば 【卒塔婆/卒都婆】
〔梵 stpa〕〔仏〕
(1)供養・報恩のため、仏舎利や遺物などを安置した建造物。浮図(ふと)。塔婆。塔。そとうば。
(2)供養・追善のため、墓などに立てる細長い板。塔の形の切り込みがつけられ、梵字・経文などが記されている。板塔婆。塔婆。そとうば。

うきふね 【浮舟】
(1)源氏物語の巻名。第五一帖。宇治十帖の一。
(2)源氏物語の作中人物。宇治の八の宮の女(むすめ)。宇治の大君(おおいぎみ)・中君(なかのきみ)の異母妹。薫と匂宮(におうのみや)との愛情の間に苦悶して入水、横川(よかわ)の僧都(そうず)に助けられて尼となる。

読み終わるとなるほどと。

あとで本の帯を見たら、
「十冊目にして初めて、わたしは純愛小説というものをかいたのかもしれません」という中山さんのコメントが出ていましたが、中山さんの作品は、常に愛するということに一生懸命な主人公が、不器用に、痛いくらいの切ない、悲しい、心にグッと来る恋物語を繰り広げる、いわば、全てが純愛小説ではないか、などと思います。
今回は、成就されない不遇の恋物語の作品集となっていますが、描き出される世界は、単なる片思いの話ではなく、さまざまな愛の形が紡ぎだされています。
恐らく、今回の作品たちに出てくるように、中山さん自身が身を削って、それこそ命を削って小説を書いているんだと思わざるを得ません。

また、次の中山さんの作品が読みたくなりました。

弱法師 3編目 浮舟

今回のは、初めて普通に読める題名でした。
この作品もまた、中山可穂さンらしい1編でした。
和菓子やを継いだ父と、体の弱い母と、風来坊で圧倒的な存在感を
放つ父の姉、つまり叔母を持つ、高校生の女の子の物語です。
ここでもまた、切ない恋物語が展開されます。
父と母、母と叔母、そして主人公と叔母との関係がガツンと心に響きます。
最後のところでは、電車の中で読みながら、目に涙が浮かんできました。
よい、よいですよ、ほんとに。

2004.05.14

弱法師 2編目 卒塔婆小町

この作品は、俺の好きな中山可穂さんの作品でした。
痛い、切ない、悲しい話でした。
ホームレスのお婆さんと新進の作家の話は、かつて編集者だったころのお婆さんの昔話に変わります。
昔はとても美しく、実は女の人しか愛せないお婆さんは、編集者だった頃に新人で有望な作家と100編の小説を書いたら、作家と寝るという約束をし、作家は、他社の話を断ってまで、編集者であるお婆さんのために身を削って、それこそ命を削って小説を書きます。
この後、新造を素手で鷲づかみにされるような、痛い、切ない、片思いの恋物語が語られます。
そして、物語が終わり現実の世界で悲しい、切ない結末を迎えます。
電車で本を読んでて、目的地についてもなお続きが読みたくて、駅のベンチで最後まで読みきりました。
是非読んでみて欲しい1編です。

2004.05.11

弱法師 2編目 読み始めました。

2編目は「卒塔婆小町」という作品です。
「そとばこまち」と読むようです。

新人賞をとった後作品に恵まれない作家が、渾身の1作を編集者に無碍にされ、帰りにビールを飲みながら1枚ずつゴミ箱に捨てるシーンから物語が始まります。
ゴミ箱に捨てられた原稿を、ホームレスの老婆が読んでいて、「ちょいとあんた、早く、次」と声を掛けて・・・。

今回の1編は、なかなか面白そうな予感。
この本の中で、1番長い話です。

またそのうち感想を。

2004.05.09

弱法師 1編目

中編集なので、まずは1編目の感想なぞ。

最初の話は、本のタイトルでもある「弱法師」。
弱法師と書いて、「よろぼし」と読むらしい。

ストーリーは、とても美しいシングルマザーと、その息子で脳髄に腫瘍を持ち、目が見えなくなっていく息子、その母子を最初は患者として、その後家族として面倒を見ていくお医者さんの物語です。
中山さんの話では珍しく、夫婦愛、そして父子の愛が語られています。
結構意外な展開が進んでいきますが、さらっと読める、そんな1編目でした。

今までの本から出る迫力は、少し薄め。
父の迎え入れた息子に対する異常な愛情が、段々と育って行きます。

そこそこ面白い1編です。

2004.04.29

弱法師 ~中山可穂

フェイクの感想もままならない今日この頃、中山可穂さんの弱法師という本を読み始めたよ。
この本は、中山さんの中編小説です。

中山可穂さんは、かれこれさかのぼって、本館の2002年11月4日の日記に書いてあるとおり、結構読んでます。
ってか、新しいのがでると買ってるかも。

日記では、「なんていうかなぁ、愛を貪り合うっていうのかなぁ、とにかく苦しいのよ。いつでも生と死が隣り合わせで、そんな中でとっても苦しい恋愛をするんだよ。」などと書いているけど、この人の本はグッと来るっていうか、結構好きです。

中編なので、1編1編の感想なぞまた。

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