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2006.12.16

ケッヘル 感想





満を持して、中山さんの「ケッヘル」感想行きます。

この作品このボリューム感、とても重い内容にもかかわらず、どんどん読み進めたくなる力があって。
非常にすばらしい作品です。
一応、分野的にいうと、ミステリーですね、これは。

何度か書いていますが、大きく2つの物語から成り立つこの作品。
最初は戸惑いました。
それも、二つの作品が交互に出てくる出て来方が、何というかそれぞれが長くて。
遠い、遠いところから二つの物語が始まって、繋がっていく感が最初見えなくて。

それにしても、壮大な物語です。
それも、二つの物語が、それぞれ壮大で。

最後の感想ということで、できるだけネタバレのないように、ぼやかして書いていくことにしますが。
それでも、これだけの長い、上下巻の作品だと、そうも行かない部分があって。

タイトルの「ケッヘル」というのはの作品を時系列的に配列した番号ということをご紹介しましたが、なるほど、タイトルにつけられるとおり、この番号がものすごい鍵を握るわけです。
始めは、鍵人の幼少のころからの物語で父親に纏わる、そして、伽椰の物語では、殺人の真相に纏わる。

始まりは、とても残酷で、こんなことがあっていいのかと思えるほどの悪意に満ちた事件。
そこには、真相が隠されているようないないような。
でも、そこのもう少し見えない部分に、実は真相が隠されていて、そこには一筋の救いがあって。

過去の物語で発生する残酷な悪意は、次第に現在の物語の悪意に、復讐に、憎悪に置き換えられていくわけです。
読み進めるのを止められない気持ちと、怖くて、恐ろしくて読み進められない気持ちが入り乱れて、それでも読み進めざるを得ない力がある作品で。

何だか抽象的で、支離滅裂的な感想であることが否めないですが、読み終わって「あぁ」と共感してもらえるとありがたいと思いつつ。
帯に書かれた、、
「絶望のふちから生まれた恋。
 だが復讐の連鎖は止まらない。
 著者新境地にして最高傑作。
 『これはわたしのもうひとつの処女作である』」
という言葉をかみ締めつつ、確かに最高傑作であり、この絶望と復讐の物語にスタンディングオベーションを送りつつ。

取っ付きやすい、読みやすい、単純に面白いという類の本ではないのですが、じっくり、深い物語を読みたい人に是非読んで頂きたい。

ではまた、次の作品の読中記か感想を。

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